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低用量ピルで血栓症?リスクや症状は?予防法は3つ
血栓症は人を問わず発症リスクがある疾患であり、低用量ピルの服用や生活習慣などによって発症リスクが増加します。この記事では、低用量ピルの服用によって血栓症のリスクが上がる理由と発症率の比較、初期症状と予防法について具体的に解説します。
目次
■血栓症ってどんな病気?
血栓症とは、血管内に血栓ができることで血管が詰まってしまう病気です。血栓によって循環が妨げられた部位は機能停止又は低下を引き起こします。血栓ができる血管によって動脈血栓症、静脈血栓症に分類されることが特徴です。動脈血栓症には心筋梗塞や脳梗塞、静脈血栓症にはエコノミークラス症候群などの種類があります。
■低用量ピルが血栓症のリスクを上げる理由とは?
低用量ピルの稀な副作用として血栓症のリスク増加があります。
日本産科婦人科学会の「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(第2版)」によると、低用量ピルに含まれる成分には体内の血栓性素因を顕在化させる作用があるとされています。血栓性素因とは血栓が生じやすくなる体質的な要因で、先天性と後天性に分類されます。
低用量ピルは、エストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンを主成分とします。特にエストロゲンには、心血管保護作用があると同時に、凝固亢進作用があります。つまり、血栓が形成されるリスクが高まります。一方で、プロゲステロンには、相反する作用があります。そこでエストロゲンの含有量を低用量化するなどの改良がなされてきました。
先天的な素因を保有する人は、原則低用量ピルの服用ができません。気になる方は産婦人科などに相談してみましょう。
■低用量ピルによって血栓症を発症するリスクは?
低用量ピルには静脈血栓症の発症リスクを増加させる副作用がありますが、低用量ピルの服用によって血栓症を発症する確率は非常に低いと考えられています。
【女性10,000人あたりの年間の血栓症発症者数】
属性 | 発症者数 |
ピル非服用の女性 | 1~5人 |
ピル服用の女性 | 3~9人 |
妊婦 | 5~20人 |
分娩後12週の女性 | 40~65人 |
参照:低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン(案)
低用量ピル使用中の死亡率は年間1/100,000以下とされており、適切な治療によって対応できる症例がほとんどであると考えられています。血栓症の治療は血管外科、循環器内科、脳神経外科などに相談することが一般的です。
■低用量ピルによる血栓症の初期症状
血栓が形成されている状況では局所での血液供給が滞り、初期症状として各部位の痛みやしびれなどが起きることがあります。具体的な初期症状は以下の通りです。
●激しい腹痛
●激しい胸痛、息苦しい、押しつぶされるような痛み
●激しい頭痛、めまい
●見えにくい所がある、視野が狭い、舌のもつれ、失神、けいれん、意識障害
●ふくらはぎの痛み・むくみ、握ると痛い、赤くなっている
●手足の脱力、手足のまひ
脚部に血栓ができている場合、静脈の血流停滞によるふくらはぎの痛み、むくみといった初期症状が起こる場合があります。血栓が移動して肺や脳の血管に詰まった場合は胸部の痛みや頭痛、手足のしびれなどが現れうることも初期症状としてあります。
海外の研究結果によると、低用量ピルによる血栓症リスクの増加は使用開始後4カ月以内に生じることが認められており、服用中止後3カ月以内に非服用時と同等の水準まで発症リスクが戻ることが報告されています。
服用期間の長期化に伴って発症リスクは比較的低下することが認められていますが、低用量ピルの服用を4週間以上中断してから服用再開した場合、使用開始後数か月間は初回投与と同様に血栓症リスクが増加するとされています。
血栓症の初期症状が現れた場合はすぐに服用を中止し、血栓症の診断もしくは治療に対応した医療機関を受診してください。
■低用量ピルによる血栓症のリスクが高い人
以下の特徴に当てはまる人は血栓症のリスクが高くなるので要注意です。
●35歳以上の喫煙者(1日15本以上)
●40歳以上である
●血栓症の既往歴がある
●第1度近親者に血栓症の家族歴がある
●肥満(BMI30以上)
●前兆を伴う片頭痛がある
●高血圧、脂質異常症、糖尿病など生活習慣病の患者
●心臓弁膜症の患者
●血栓性素因がある
●長時間の不動(デスクワーク、入院、飛行機移動など)
●妊娠中もしくは分娩後
血栓症のリスクが上がる要因は「血流の停滞、血管内皮障害、血液凝固能の亢進」が3大要因になっています。飛行機移動や入院治療など長時間動かない環境下で血流が停滞したり、喫煙や生活習慣病などがあったり、服薬や先天性の要因などで血液凝固作用が亢進すると血栓症のリスクは高まります。
また、喫煙や高血圧も心筋梗塞、脳卒中のリスク増加につながる要素です。1日15本以上喫煙するときに心筋梗塞のリスクは最大化するとされており、禁煙した場合には1年~5年以内に心血管疾患リスクが減少することが判明しています。次に、収縮期血圧160mmHg以上あるいは拡張期血圧100mmHg以上である場合には脳卒中のリスクが増加することから低用量ピルの投与は禁忌とされています。
■低用量ピルによる血栓症のリスクを下げる予防法3つ!
血栓症の発症リスク低下を図るためには、適度な運動、水分補給や食習慣の調整などが予防法として効果が見込めます。いつ、どういった形で対策を行うべきかについてご紹介します。
①1日30分以上の運動をする
1日30分以上の適度な有酸素運動には、内臓脂肪の減少や基礎代謝向上といった効果があり、生活習慣病による血栓症のリスクの予防効果が期待できます。なお、長距離移動や入院などで動き回ることが困難である場合、2~3時間に1回程度は足首の曲げ伸ばし、ふくらはぎのマッサージなどを行いましょう。
②水分をこまめに十分な量を摂る
低用量ピルに含まれる女性ホルモンには血液凝固作用を高める働きがあり、服用期間中は血栓症のリスクが増加しています。血栓症のリスク増加を抑えるには、こまめな水分補給によって血流の停滞を防ぐことが重要になります。目安としては寝起きや就寝前、入浴前など発汗量が増えるタイミングで水分補給を行うことが水分不足の予防につながります。
③大豆・大豆発酵食品を毎日摂取する
大豆発酵食品には血管の状態を良好に保つ作用があり、定期的に摂取することで血栓症を予防する効果が見込めます。大豆製品に含まれているイソフラボンには血栓症を予防する作用があり、大豆を週に5日以上摂取することで脳梗塞や心筋梗塞を予防する効果があるとされています。
また、一部の大豆発酵食品には線溶亢進作用のある成分が含まれており、継続的に摂取することで血栓症を予防する効果が見込めるとされています。一例として、納豆に含まれるナットウキナーゼには血栓溶解を促す作用があります。
■低用量ピルによる血栓症の不安がある方は医師に相談を
低用量ピルには血栓症のリスクをわずかに上げる副作用がありますが、発症率が低い病気のひとつです。ただし、血栓症の既往歴がある・喫煙習慣や生活習慣病があるなど、血栓症を発症しやすい場合には低用量ピルの服用に注意が必要です。疑問や不安がある場合は産婦人科へ相談し、正しく使いましょう。
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